第4回 飲食店の人手不足対策|仕込みを簡略化して調理と教育の負担を減らす考え方

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飲食店の人手不足対策|仕込みを簡略化して調理と教育の負担を減らす考え方

飲食店の人手不足は、単純に

「人数が足りない」

という問題だけではありません。

実際の厨房では、

  • 仕込み
  • 調理
  • 盛り付け
  • 洗浄
  • 発注
  • 在庫管理
  • 新人教育

など、限られた人数で多くの仕事を同時に進める必要があります。

さらに問題になるのが、

「この仕込みは、この人にしか任せられない」

という状態です。

料理長が休むと味が変わる。

ベテランスタッフがいないと、だしやスープを仕込めない。

新人に教えても、同じ仕上がりになるまで時間がかかる。

こうした「人に依存した仕込み」が多いほど、人手不足の影響は大きくなります。

今回は、飲食店の人手不足を、

人数ではなく「仕事の仕組み」から見直す

という視点で考えてみます。

人手不足で起こるのは「作業量の増加」だけではない

スタッフが少なくなると、一人あたりの仕事が増えます。

しかし、それ以上に問題なのが、

経験者に仕事が集中すること

です。

たとえば、

  • だしを取る
  • ソースの味を決める
  • スープを仕上げる
  • 火入れを判断する
  • 最終的な味を調整する

といった仕事がすべて一人の料理人に集中すると、その人が厨房全体のボトルネックになります。

その料理人が、

だしを仕込みながら、
魚を下処理し、
ソースを確認し、
新人へ指示を出す。

という状態になれば、本来もっと重要な仕事に使える時間が減ってしまいます。

「できる人に任せる」が続くと属人化する

飲食店では、

「○○さんが作った方がおいしいから任せよう」

という判断は自然なことです。

しかし、それを長く続けていると、

その人しか作れない料理や仕込み

が増えていきます。

これを「属人化」と考えることができます。

属人化が進むと、

  • 休みを取りにくい
  • 新人へ仕事を渡しにくい
  • 急な欠勤に対応しにくい
  • 店舗を増やしにくい
  • 味を統一しにくい

といった問題につながります。

特に毎日繰り返す基本的な仕込みほど、属人化を減らせないかを考える価値があります。

すべての仕事を簡単にする必要はない

ここで重要なのは、

料理人の技術をなくすことが目的ではない

という点です。

たとえば、

  • 魚の状態を見て火入れを変える
  • ソースの濃度を判断する
  • 香りのバランスを調整する
  • 盛り付けを仕上げる
  • お客様に合わせて味を調整する

といった仕事は、料理人の経験や感覚が価値になります。

一方で、

  • 毎日同じ量を計る
  • 同じだしを取る
  • 同じ時間煮る
  • 同じように濾す
  • 同じ容器へ移す

といった仕事は、仕組みを見直せる場合があります。

つまり、

料理人の技術が必要な仕事と、標準化できる仕事を分ける

ことが人手不足対策の一つになります。

人手不足対策では「工程数」を見る

料理の仕込みでは、作業時間だけを見るのではなく、

何回人が関わる必要があるか

を見ることも重要です。

たとえば、だしを取る場合、

  1. 原料を準備する
  2. 計量する
  3. 水を準備する
  4. 加熱する
  5. 火加減を見る
  6. アクを取る
  7. 濾す
  8. 冷却する
  9. 保存する
  10. 器具を洗う

という工程があります。

一つ一つは短時間でも、そのたびに人が動く必要があります。

人手不足の厨房では、

「30分かかる仕込み」よりも、「10回人が関わる仕込み」の方が負担になることもあります。


新人教育で難しいのは「感覚」を教えること

新人スタッフへ、

「昆布10g、水1L」

と教えるのは簡単です。

しかし、

「沸騰する少し前で上げる」

「今日は少し弱いから、もう少し煮る」

「このくらいの香りになったら止める」

という判断を教えるのは簡単ではありません。

ベテラン料理人にとって当たり前の判断でも、新人には経験が必要です。

そのため、

数字で教えられる部分を増やす

ことが教育負担を減らす一つの方法になります。


「感覚のレシピ」を「数値のレシピ」に変える

たとえば、

従来

昆布を適量入れる
少し置く
沸騰する前に取り出す
最後に味を調整する

というレシピでは、人による差が出やすくなります。

これを、

数値化する

水1L
昆布○g
温度○℃
時間○分
仕上がり○ml

という形にすると、新人でも再現しやすくなります。

すべてを数値化する必要はありません。

しかし、

毎日繰り返す基本部分を固定する

だけでも、教育はしやすくなります。

ただし「抽出工程」は人による差が残りやすい

だしやスープでは、原料重量を決めても、

  • 温度
  • 時間
  • 水量
  • 火加減
  • 濾過方法

によって、最終的な味が変わることがあります。

つまり、

原料を何g使ったかだけでは、完全な標準化にはなりません。

そのため、だしやスープを標準化する場合には、

抽出条件まで固定する方法と、抽出工程そのものを減らす方法の2つがあります。

粉末素材を使えば、すべて解決するわけではない

ここは第2・3回とつながる重要な部分です。

素材を粉末にすると、計量しやすくなります。

しかし、一般的な乾燥素材を粉砕した粉末では、素材によっては加熱や煮出しによって旨味を取り出す必要があります。

その場合、

同じ5gを使っても、

  • どのくらい煮たか
  • 何℃だったか
  • どのくらい水を使ったか

によって仕上がりが変わる可能性があります。

つまり、

「粉末=誰が作っても同じ」ではありません。

PRE-TASU(プレタス)では「使用量」を基準にしやすい

PRE-TASU(プレタス)では、昆布、椎茸、いりこ、鯛などを瞬間高温高圧焼成法によって加工しています。

素材組織が変化しているため、長時間煮出して旨味を取り出す方法だけではなく、水や料理へ加えて混ぜ、短時間で使用するという使い方ができます。

そのため、

水500ml+PRE-TASU○g

スープ1L+PRE-TASU○g

ソース100g+PRE-TASU○g

という形で、レシピをグラム管理しやすくなります。

これは単なる時短だけではなく、

新人教育をしやすくする

というメリットにもつながります。

「だしの取り方」を教えるのではなく「配合」を教える

たとえば新人スタッフへ、

「火加減を見ながら昆布を引き上げてください」

と教える場合、ある程度の経験が必要です。

一方、

水500mlに対して○g入れる

というルールなら、比較的共有しやすくなります。

もちろん、最終的な料理の味は料理人が判断します。

しかし、

基本となる旨味の部分を一定にしておけば、最後の調整に集中しやすくなります。

これは、

  • 新人スタッフ
  • アルバイト
  • 複数店舗
  • 営業途中の追加仕込み

などでも使いやすい考え方です。

「追いだし」も教育しやすくなる

営業中にだしやスープが不足した場合、

従来のだしでは、

「最初と同じようにもう一度取る」

必要があります。

しかし、その場に経験者がいなければ、最初と同じ味にならない可能性があります。

使用量を固定できれば、

追加500mlなら○g

追加1Lなら○g

というように、追いだしのルールも決められます。

これなら、

「足りなくなったら料理長を呼ぶ」

ではなく、

「決められた配合で必要量を追加する」

という運用に変えやすくなります。

人手不足対策は「人を減らすこと」ではない

ここは記事の中心になる考え方です。

仕込みを簡略化するというと、

少ない人数で回すための方法

と思われるかもしれません。

しかし、本当に重要なのは、限られた人数をどこに使うかです。

たとえば、

毎朝30分かけて同じだしを取っていた料理人が、その時間を、

  • 魚の下処理
  • ソースづくり
  • 盛り付け
  • 新メニュー開発
  • スタッフ教育
  • お客様への対応

に使えるようになれば、料理や店舗全体の質を高めることにつながります。

「料理人にしかできない仕事」へ時間を戻す

人手不足の時代ほど、

誰でもできる仕事を誰でもできる状態にする

ことが重要になります。

その上で、

料理人にしかできない仕事へ時間を集中する。

これが、単なる省力化とは違う考え方です。

だしやスープづくりは、その見直しを始めやすい工程の一つです。


飲食店で人手不足を考える5つの確認ポイント

一度、厨房の仕込みを次の5点で見てみてください。

  1. 特定の人にしかできない仕込みは何か
  2. 毎日繰り返している工程は何か
  3. 感覚ではなく数値化できる部分はどこか
  4. 新人に教えるのに時間がかかる工程は何か
  5. 料理人が本当に時間を使うべき仕事は何か

全部を変える必要はありません。

一つの仕込みを標準化するだけでも、厨房全体の動きが変わることがあります。

人手不足だからこそ「料理の質を守る仕組み」をつくる

人手不足対策で重要なのは、

料理を簡単にすることではありません。

料理の質を守りながら、

  • 誰が作っても基本がぶれにくい
  • 新人へ教えやすい
  • ベテランに仕事が集中しない
  • 営業途中でも対応できる

という仕組みをつくることです。

そのためには、

技術を残す部分

仕組みで標準化する部分

を分ける必要があります。

毎日のだしやスープづくりは、その第一歩として見直しやすい工程の一つです。

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