第2回 PRE+玄米とPRE+黒米の違い|色・風味・成分・用途を比較

PRE+玄米とPRE+黒米は、どちらも米を「瞬間高温高圧焼成法」でフレーク状に加工した、炊かずに使える穀物素材です。

同じ製法でつくられていますが、見た目、風味、含まれる成分、料理や商品に加えたときの印象には違いがあります。

玄米は料理になじませやすく、黒米は黒紫色の外皮や色の変化を商品の特徴として見せやすい素材です。どちらが優れているということではなく、つくりたい食品の味、色、食感、訴求点に合わせて選ぶことが大切です。

この記事では、PRE+玄米とPRE+黒米の違いを比較し、それぞれに向く用途を整理します。

目次

PRE+玄米・黒米に共通する特徴

PRE+玄米・黒米は、原料に圧力をかけながら約0.6秒という短時間で高温処理し、多孔質のフレーク状に加工しています。

一般的な玄米や黒米のように、洗米、浸漬、長時間の炊飯をしてから使う必要がなく、用途に応じてお湯で戻したり、スープや菓子に混ぜたり、米麹と組み合わせたりできます。

両方に共通する主な特徴は次のとおりです。

  • 炊飯せずに使える
  • 短時間で吸水しやすい
  • 米ぬか層を含む穀物を丸ごと加工している
  • フレークのままでも、砕いたりペースト化したりしても使える
  • 粥、スープ、甘酒、発酵調味料、菓子などへ展開できる

共通点が多い一方、実際の商品設計では色と風味の違いが選択の大きな基準になります。

PRE+玄米とPRE+黒米の違いを一覧で比較

比較項目PRE+玄米PRE+黒米
フレークの見た目白から淡いベージュ色白いフレークに黒紫色の外皮が見える
水分を加えたときの色乳白色から淡いベージュ赤紫から紫色が徐々に広がる
風味穏やかな香ばしさと玄米らしさ穀物の香ばしさと黒米特有の風味
食感やわらかく戻り、料理になじみやすい外皮由来の粒感がやや残りやすい
商品での見え方他の素材や料理の色を邪魔しにくい色と粒感を商品の特徴にしやすい
特徴的な成分γ-オリザノール、フェルラ酸などアントシアニン、γ-オリザノール、フェルラ酸など
向いている用途粥、スープ、塩麹、パン、焼菓子甘酒、ドリンク、デザート、色を見せる料理

黒米フレークは乾燥状態では全体が濃い紫色ではありません。水分を加えたり、加温・発酵したりする過程で、外皮由来の色が食品全体へ広がります。

黒米と、黒米から抽出した透明な赤紫色のエキス
黒米から抽出した、透明感のある赤紫色のエキス(ルビーパープル)(当社試作)

料理になじませやすいPRE+玄米

PRE+玄米は、色と風味が比較的穏やかで、和食、洋食、菓子など幅広い料理へなじませやすい素材です。

お湯で戻すとやわらかくなり、玄米粥やスープの具材として使えます。ペースト状にすれば、ポタージュ、ディップ、ソースなどにも展開できます。

例えば、次のような用途に向いています。

  • 玄米粥、雑炊、リゾット
  • 玄米入りポタージュや即席スープ
  • 玄米甘酒
  • 玄米塩麹、醤油麹
  • パン、クッキー、サブレなどへの混ぜ込み
  • ごぼうや椎茸と組み合わせた食事系商品

商品の色を大きく変えず、穀物の香ばしさや粒感を加えたい場合は、PRE+玄米が使いやすい選択です。

色を商品の特徴にできるPRE+黒米

PRE+黒米は、黒紫色の外皮を含んだままフレーク化しています。水分を加えると赤紫から紫色が広がり、見た目にも黒米らしさを表現できます。

黒米の色を隠さず、商品の個性として活かす用途に向いています。

  • 黒米甘酒や発酵ドリンク
  • 黒米粥、リゾット
  • ヨーグルトや植物性ミルクと組み合わせた朝食
  • プリン、ムース、ゼリーなどのデザート
  • 焼菓子、パン、グラノーラ風商品
  • 色や断面を見せる冷凍食品・惣菜

黒米は、ベリー類、ぶどう、紫いも、小豆、カカオなど、濃い色を持つ素材とも合わせやすく、デザートやドリンクの世界観をつくりやすい素材です。

一方で、淡い色のスープや白いソースに使うと、想定以上に紫色が広がる場合があります。商品開発では、配合量、加水量、pH、加熱時間、保存中の色の変化を確認することが重要です。

委託研究で測定した成分の違い

焼成加工した白米・玄米・黒米フレークについて、2019年に委託研究で成分を測定しました。

測定項目白米フレークPRE+玄米PRE+黒米
γ-オリザノール2.34mg/100g32.0mg/100g40.4mg/100g
フェルラ酸11.9mg/100g39.7mg/100g48.5mg/100g
総ポリフェノール7.61mg/100g43.4mg/100g78.8mg/100g

※総ポリフェノールは、メタノール抽出によるエラグ酸相当量として測定した値です。測定方法や試料条件によって数値は変わるため、一般的な栄養成分表示の数値ではなく、試験条件下で得られた比較データとしてご覧ください。

測定では、3項目とも白米フレークより玄米・黒米フレークで高い値を示し、玄米と黒米を比べると黒米の方が高い結果となりました。

ただし、この結果だけで健康への効果を断定するものではありません。食品素材としては、含まれる成分だけでなく、味、色、食感、1回に使用する量、食べ続けやすさまで含めて設計する必要があります。

黒米に特徴的なアントシアニン

黒米の黒紫色には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが関係しています。

黒米フレークを使ってつくった甘酒の試験では、黒米甘酒から黒米由来のアントシアニンが検出されました。玄米と黒米の大きな違いは、この色素成分と、そこから生まれる見た目の特徴にあります。

黒米のポリフェノールについては、次の記事で詳しく紹介しています。

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黒米に含まれる3つのポリフェノール|管理栄養士が解説

甘酒にしたとき、糖度の上がり方に大きな差はある?

PRE+玄米とPRE+黒米を米麹と組み合わせ、60℃で6時間保温した試験では、6時間後の糖度は玄米がBrix 26.4、黒米がBrix 26.5でした。

また、4時間後には6時間後の糖度の約93~97%まで達しており、玄米と黒米で糖度の上がり方に大きな差は見られませんでした。

そのため、甘酒づくりでは「どちらが糖化しやすいか」だけで選ぶのではなく、次の違いで使い分けるのが適しています。

  • 穏やかな色と玄米らしい風味を活かすならPRE+玄米
  • 赤紫色と黒米らしい個性を活かすならPRE+黒米

甘酒の製造条件や糖度の変化については、第3回で詳しく紹介します。

用途別の選び方

色を変えずに料理へなじませたい

PRE+玄米がおすすめです。スープ、塩麹、パン、焼菓子など、ほかの素材の色を活かしたい食品に向きます。

色で商品の特徴を伝えたい

PRE+黒米がおすすめです。甘酒、ドリンク、デザートなど、紫色を見せられる商品に向きます。

ごぼうや椎茸と組み合わせたい

食事系のスープ、粥、発酵調味料には、料理になじみやすいPRE+玄米が使いやすくなります。黒米は、粒感や色をアクセントとして一部配合する方法も考えられます。

菓子やデザートに使いたい

プレーンな焼菓子にはPRE+玄米、色を見せるムース、ゼリー、パフェ、ドリンクにはPRE+黒米が適しています。両方を混ぜ、色と食感を調整する方法もあります。

玄米か黒米かではなく、商品の目的から選ぶ

PRE+玄米は、料理になじみやすく、幅広い食品に穀物の香ばしさと粒感を加えられます。

PRE+黒米は、黒紫色の外皮、アントシアニン、黒米らしい風味を、商品の特徴として見せられます。

選ぶときは、一つの成分量だけを比べるのではなく、完成品の色、味、食感、食べる場面まで考えることが大切です。目的によっては玄米と黒米を組み合わせ、それぞれの特徴を活かす方法もあります。

PRE+玄米・黒米は、次の商品ページから確認できます。


記事内に設定する内部リンク

  • 第1回:https://pre-tasu.com/pre-plus-genmai-kuromai/
  • 黒米のポリフェノール:https://pre-tasu.com/kuromai/
  • 瞬間高温高圧焼成法:瞬間高温高圧焼成法 | 瀬戸プレスフーズのプレタス
  • 食品開発のご提案:https://pre-tasu.com/food-development/
  • ごぼうの食物繊維:https://pre-tasu.com/whole-burdock-dietary-fiber/

次回予告

次回は、PRE+玄米・黒米と米麹を使った甘酒について、配合、温度、糖度の変化、色や食感の違いを詳しく紹介します。

第3回予定タイトル
PRE+玄米・黒米でつくる甘酒|4時間で糖度が上がる理由と活用法

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