第2回 業務用の鯛パウダーとは?食品メーカーの商品開発での活用方法

食品メーカーの商品開発に役立つ「焼鯛パウダー」シリーズ 第2回
今回は、焼鯛パウダーを業務用食品素材として使用する場合の特徴と、商品開発で考えられる活用方法をご紹介します。

食品メーカーが鯛の風味を持つ商品を開発する場合、鯛のアラや身からだしを取る方法、液体・粉末エキスを使う方法、香料や調味料を組み合わせる方法など、いくつかの選択肢があります。

もう一つの選択肢が、鯛そのものから作った焼鯛パウダーを、業務用の風味原料として使用する方法です。

焼鯛パウダーは、鯛の旨味と焼いた香ばしさを食品へ加えられる粉末素材です。必要量を計量して配合できるため、粉末スープ、調味料、惣菜、冷凍食品、シーズニングなど、さまざまな商品開発で検討できます。

目次

業務用の焼鯛パウダーとは

瀬戸プレスフーズの焼鯛パウダーは、鯛を瞬間高温高圧焼成法で加工し、粉末化した食品素材です。

鯛は脂質を含むため、素材そのものを扱いやすい粉末にすることが難しい魚です。瞬間高温高圧焼成法を活用し、粉末化を妨げる余分な脂を抑えることで、食品へ配合しやすいパウダーに仕上げています。

開発の背景については、第1回の記事で詳しくご紹介しています。

→ 何年も実現できなかった鯛の粉末化|鯛そのものを業務用の風味原料へ

食品メーカーが鯛パウダーを使用する目的

鯛パウダーの用途は、「鯛味の商品を作る」ことだけではありません。商品の特徴や配合量によって、複数の役割を持たせられます。

1.鯛の風味を商品の主役にする

鯛だし、鯛めし、鯛スープなど、鯛を商品名やコンセプトの中心に置く使い方です。

原料として鯛そのものを使用することで、単に魚介風味を加えるのではなく、商品の原料ストーリーを伝えやすくなります。

2.魚介の旨味を補う

鯛を前面に出さない商品でも、魚介の旨味や奥行きを加える素材として使用できます。

昆布、椎茸、いりこなど、ほかの旨味素材と組み合わせることで、味の土台、厚み、後味を調整することも可能です。

3.焼いた香ばしさを加える

焼鯛パウダーには、焼成による香ばしさがあります。だしの旨味だけでなく、焼いた魚を思わせる風味を加えたい商品にも向いています。

ただし、感じ方は配合する食品の油分、塩分、加熱条件などによって変わるため、実際の商品に近い条件で確認します。

4.鯛だしを取る工程を簡略化する

鯛のアラからだしを取る場合は、下処理、霜降り、加熱、あく取り、抽出、濾過などの工程が必要です。

焼鯛パウダーは、必要量を計量して食品へ加えられるため、毎回原料からだしを取る方法に比べて、試作や製造工程を組み立てやすくなります。

商品開発で考えられる7つの活用分野

1.粉末スープ・即席吸い物

粉末スープ、即席吸い物、雑炊の素など、湯を加えて仕上げる商品に活用できます。

鯛の風味を主役にするほか、昆布や椎茸と組み合わせて、魚介の旨味に厚みを持たせることもできます。

粉末商品では、ほかの原料との混合性、吸湿、湯に入れたときの分散、沈殿、飲用時の口当たりを確認します。

2.鍋つゆ・麺つゆ・スープ

鯛だし鍋、和風スープ、麺つゆ、ラーメンスープなどの液体商品にも使用できます。

液体へ直接配合する場合は、味だけでなく、パウダーの分散状態や沈殿も商品設計の一部になります。透明感を重視する商品では、焼鯛パウダーではなく、焼鯛パフからだしを抽出する方法も選択肢です。

3.だし醤油・ぽん酢・たれ

醤油、ぽん酢、たれ、ドレッシングなどへ、魚介の旨味や鯛の風味を加える用途です。

塩分、酸味、甘味、油分によって鯛の風味の感じ方が変わるため、配合量だけでなく、調味料全体のバランスを見ながら設計します。

業務用調味料での詳しい使い方は、第4回で取り上げます。

4.炊き込みご飯の素・鯛めし

炊き込みご飯の素や鯛めしに使用し、米全体へ鯛の旨味を広げる使い方です。

鯛の身と組み合わせれば、身の存在感と、米に広がる風味の両方を作れます。炊飯中の加熱による香りの変化も確認します。

5.惣菜・冷凍食品

茶碗蒸し、雑炊、煮物、魚介ソース、和風あん、冷凍惣菜などにも活用できます。

冷凍食品では、製造直後だけでなく、冷凍・保存・解凍・再加熱後にどのような風味になるかを確認する必要があります。冷凍食品・惣菜での考え方は、第6回で詳しくご紹介します。

6.シーズニング・ふりかけ

塩、糖類、酵母エキス、昆布、椎茸などの粉末原料と組み合わせ、鯛風味のシーズニングやふりかけに使用できます。

ポテト、米菓、スナック、揚げ物用の調味粉などへの応用も考えられます。粉末同士の粒度差や混合後の均一性、吸湿性を確認します。

7.ペットフード・ペット用トッピング

鯛を使ったペットフードや、香りと嗜好性を考えたトッピング素材としての検討も可能です。

ただし、ペットフードでは人用食品とは異なる栄養基準、表示、安全性の確認が必要です。対象動物、給与量、ほかの原材料との組み合わせについて、専門家と確認しながら商品設計を進めます。

焼鯛パウダーと焼鯛パフの使い分け

鯛の焼成素材には、粉末として食品へ配合する「焼鯛パウダー」と、主にだしを抽出して使用する「焼鯛パフ」があります。

比較項目焼鯛パウダー焼鯛パフ
主な使い方食品へ直接配合する湯や水でだしを抽出する
向いている商品粉末スープ、調味料、惣菜、シーズニング吸い物、澄んだスープ、魚介コンソメ
特徴少量から計量・配合しやすい抽出後に濾し、透明感のあるだしを作りやすい
確認点分散、沈殿、口当たり抽出濃度、時間、濾過、収率

パウダーとパフのどちらが適しているかは、完成商品の形態や、素材をそのまま配合するのか、抽出液として使用するのかによって変わります。

焼鯛パウダーと焼鯛パフの基本的な特徴はこちらでご覧いただけます。

→ 焼鯛パウダーとは?澄んだ鯛だし・鯛コンソメに使える魚介素材

焼鯛パウダー・焼鯛パフを試してみたい方へ

焼鯛パウダーは、鯛そのものの旨味と焼いた香ばしさを食品へ加えたい場合に適しています。

透明感のある鯛だしを取りたい場合は、焼鯛パフから抽出して濾す方法がおすすめです。

  • 食品へ直接配合したい方:焼鯛パウダー
  • 澄んだ鯛だしを抽出したい方:焼鯛パフ

まずは少量から、実際の料理や商品試作で風味をご確認いただけます。

採用前に確認したいポイント

業務用素材を商品へ採用する際は、風味だけでなく、製造工程や表示を含めた確認が必要です。

商品の中でどの役割を持たせるか

最初に、鯛を主役にするのか、魚介の旨味を補うのか、焼いた香ばしさを加えるのかを決めます。目的が明確になると、配合量や組み合わせる原料を検討しやすくなります。

最終製品と同じ条件で評価する

加熱、冷凍、乾燥、希釈などによって、香りや味の感じ方は変化します。試作時には、できるだけ実際の製造条件と喫食条件に近づけて評価します。

分散・沈殿・口当たりを確認する

パウダーはエキスとは異なり、素材由来の成分を含みます。液体商品へ使用する場合は、分散状態や沈殿が商品の設計に合うかを確認します。

原材料表示と商品規格を確認する

採用時には、原材料表示、アレルゲン、規格、賞味期限、保管条件など、商品仕様書に基づく確認が必要です。「無添加」「鯛そのもの」などの表示を行う場合も、最終商品の配合と表示基準に照らして判断します。

まずは目的の異なる少量試作から

焼鯛パウダーを検討する際は、最初から一つの配合に決めず、目的や濃度を変えた少量試作を比較する方法が適しています。

例えば、次のような3種類を並べます。

  • 鯛の風味をはっきり感じさせる試作
  • 魚介の旨味を補う試作
  • 昆布や椎茸と組み合わせた試作

この段階では、どの配合が最も濃いかではなく、商品のコンセプトに合っているかを評価します。

具体的な配合の考え方や比較試作の進め方は、第7回で詳しく取り上げます。

鯛そのものを、新しい商品の風味原料へ

焼鯛パウダーは、飲食店で鯛だしを簡単に作るためだけの素材ではありません。

粉末スープ、調味料、惣菜、冷凍食品、シーズニングなど、食品メーカーの商品開発において、鯛そのものの旨味と焼いた香ばしさを加える風味原料として活用できます。

大切なのは、鯛を強く感じさせることだけを目的にせず、商品全体の中でどのような役割を持たせるかを考えることです。

商品の形態によって焼鯛パウダーと焼鯛パフを使い分け、ほかの旨味素材とも組み合わせることで、新しい魚介風味の商品づくりにつながります。

焼鯛パウダーを使った商品開発をご相談ください

瀬戸プレスフーズでは、焼鯛パウダーと焼鯛パフのほか、焼昆布、焼椎茸、焼いりこ、焼えび、焼カキなどの商品開発用素材を取り扱っています。

  • 開発中の商品に鯛の風味を加えたい
  • 魚介の旨味を加えられる業務用素材を探している
  • パウダーとパフのどちらが適しているか相談したい
  • 昆布や椎茸と組み合わせただしを設計したい
  • 試作の進め方を相談したい

このような段階から、お気軽にご相談ください。

→ 食品開発のご提案・お問い合わせ

次回

第3回は、**「鯛風味の加工食品を作るには?鯛エキスと鯛パウダーの使い分け」**です。

液体・粉末エキスと、鯛そのものから作った焼鯛パウダーは、どちらが優れているという関係ではありません。商品の形態や目的に合わせた使い分けを整理します。

公開後のリンク先:

https://pre-tasu.com/tai-extract-powder-difference

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