一番だしで濁りが出る主な原因(焼昆布パフ編)

一番だしは本来、短時間でうま味と香りを引き出し、雑味や濁りを出さないことが大切です。
しかし、条件によっては透明感が失われ、白濁・茶濁・もやっとした濁りが出ることがあります。

目次

主な原因は次の通りです

① 加熱温度が高すぎる

昆布を沸騰近くまで強く加熱すると、
昆布のぬめり成分や多糖類、細かな成分が溶け出しやすくなります。

特に昆布は、
アルギン酸、フコイダン、ラミナランなどの多糖類を含むため、過度な加熱でだしに粘性や濁りが出やすくなります。

② 昆布を長く煮すぎる

昆布を長時間水中・湯中に置くと、うま味だけでなく、
ぬめり、えぐみ、渋み、色素成分、微細な固形成分も出やすくなります。

そのため、通常の一番だしでは、
水だしや60度で1時間もしくは沸騰直前に昆布を取り出すという工程が重視されます。

③ 鰹節を強く煮立てる

鰹節を入れた後にぐつぐつ煮立てると、
鰹節の細かな粉、たんぱく質、脂質、ミネラル、色素成分などがだし中に分散しやすくなります。

これにより、
香りは強くなる一方で、だしが濁りやすく、雑味も出やすい状態になります。

④ 鰹節の削り方や品質による影響

中削りや厚削りは、薄削りに比べて抽出に時間がかかります。
そのため、火入れや抽出時間が長くなりやすく、濁りの原因になることがあります。

また、削り粉が多い場合も、微細な粒子がだしに残りやすく、透明感を損ないます。

⑤ 昆布由来の高分子成分が、他の成分を抱き込む可能性

昆布に含まれるアルギン酸などの高分子多糖類は、水中で粘性を持ちやすく、条件によっては鰹節由来の微細な成分、脂質、ミネラル、たんぱく質片などをだし中に分散させる可能性があります。

昆布由来の高分子成分が、鰹節由来の油分や微細成分を抱え込み、だしの透明感を損なう一因になっている可能性がある

だしの濁りを整理すると

一番だしの濁りは、単に「汚れ」ではなく、次のような成分が複合的に関係していると考えられます。

原因内容だしへの影響
昆布の多糖類アルギン酸などのぬめり成分粘性、もやっとした濁り
鰹節の微粉削り粉、細かな繊維物理的な濁り
たんぱく質鰹節由来成分加熱で凝集・分散
脂質鰹節由来の油分白濁、膜、にごり感
過加熱沸騰、煮すぎ雑味・濁りの増加
抽出時間長すぎる抽出色・ぬめり・えぐみが出る

このように、濁りは高分子成分、微粒子、脂質、加熱条件が重なって起こる現象です。

それだけに温度管理、抽出時間がとても重要だということが分かります。

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