亜鉛と一緒に食べることが一律に禁止されている食品は、通常の食生活では基本的にありません。ただし、穀類や豆類に含まれるフィチン酸は、亜鉛と結合して吸収されにくくすることがあります。また、高用量の鉄サプリメントなどは、同時に摂ることで亜鉛の吸収に影響する可能性があります。
一方で、肉・魚介類・卵・乳製品などを含む多様な食事にすることで、亜鉛を取り入れやすくなります。この記事では「相性が悪いから食べてはいけない」と単純に分けるのではなく、食品とサプリメントの違いも含めて分かりやすく解説します。
フィチン酸は腸内で亜鉛などと結合し、吸収を低下させることが確認されています。また、高用量の鉄サプリメントを同時摂取すると亜鉛吸収を低下させる可能性があります。厚生労働省eJIM、NIH亜鉛ファクトシート
| 分類 | 食品・成分 | 考え方 |
|---|
| 注意したい | フィチン酸を多く含む穀類・豆類 | 亜鉛と結合して吸収を低下させることがある |
| 注意したい | 高用量の鉄サプリメント | 同時摂取で亜鉛吸収に影響する可能性がある |
| 摂りすぎに注意 | アルコール | 長期的な多量摂取は亜鉛の栄養状態に影響し得る |
| 取り入れやすい | 牡蠣・肉・魚介類・卵・乳製品 | 亜鉛の供給源になる |
| 誤解しない | 玄米・豆類・ナッツ | フィチン酸を含むが、亜鉛以外の栄養も含むため一律に避ける必要はない |
※通常の食品と、高用量の栄養補助食品では考え方が異なります。服薬中、治療中、妊娠・授乳中、サプリメントを併用している場合は、医師・薬剤師などに確認してください。
私たちの体で亜鉛はどう働く?
亜鉛は、たんぱく質やDNAの合成、細胞の新生などに関わる必須ミネラルです。また、舌にある味蕾の細胞が新しく作られる過程にも必要で、味覚を正常に保つうえでも重要な役割を担っています。
亜鉛は体内で作ることができないため、日々の食事から摂取する必要があります。食品から吸収される割合は一定ではなく、摂取量や食事に含まれるフィチン酸などの影響を受けます。

亜鉛は、筋肉や骨、皮膚、肝臓、すい臓など体内のさまざまな部位に存在し、多くの酵素の働きに関わる重要なミネラルです。たんぱく質やDNAの合成、細胞の新生、味覚を正常に保つ働きなどにも関係しています。
食品から摂取した亜鉛は主に小腸で吸収されますが、吸収される割合は一定ではありません。摂取量や、その食事に含まれるフィチン酸などの影響を受けます。
亜鉛は体内で作り出すことができないため、牡蠣、肉、魚介類、卵、乳製品、豆類など、日々の食事から取り入れることが大切です。では、どのような食品に亜鉛が多く含まれているのでしょうか。
亜鉛を多く含む食材
亜鉛を多く含む代表的な食材は牡蠣です。牡蠣は他の食材と比べて効率よく摂取できる食材として注目を浴びています。
では、普段私たちが食べているものはどのくらいの亜鉛が摂取できるのか見ていきましょう。
100gあたりの亜鉛含有量(mg)※
| 亜鉛含有量(mg) | |
| カキ 生 | 14.0 |
| うなぎ かば焼き | 2.7 |
| まさば 生 | 1.1 |
| ぶた 肝臓(レバー) 生 | 6.9 |
| ぶた[大型種肉]かたロース 赤肉 生 | 3.2 |
| にわとり[若どり]もも 皮付き 生 | 1.6 |
| えだまめ 生 | 1.4 |
| たけのこ 若茎 生 | 1.3 |
| 生揚げ(厚揚げ) | 1.1 |
牡蠣は亜鉛を多く含む代表的な食品ですが、肉、魚介類、卵、乳製品、豆類など、さまざまな食品から少しずつ摂ることもできます。
基本は毎日の食事から取り入れ、不足が心配な場合やサプリメントを利用する場合は、摂取量や医薬品との相互作用にも注意しましょう。高用量のサプリメントを利用している場合は、医師や薬剤師などへの相談も検討してください。
亜鉛を含む食事で知っておきたいこと
亜鉛は、食事に含まれる成分や調理方法によって、体内で利用される割合が変わることがあります。ただし、特定の食品を完全に避けるのではなく、食事全体の組み合わせや摂取量を考えることが大切です。
●調理による亜鉛の流出
亜鉛は加熱するだけで失われるというよりも、ゆでる・煮るといった調理によって煮汁へ移ることがあります。亜鉛を含む食品を調理するときは、スープや鍋など、煮汁ごと食べられる料理にすると取り入れやすくなります。
加熱と亜鉛の関係については、「亜鉛は加熱で減る?調理による影響」で詳しく解説しています。
●亜鉛を含む食品と組み合わせやすい食材
亜鉛を含む牡蠣や肉、魚介類は、野菜や果物などと組み合わせることで、たんぱく質やビタミン、ミネラルを含むバランスのよい食事にしやすくなります。
肉・魚介類・卵・乳製品
肉、魚介類、卵、乳製品は、たんぱく質とともに亜鉛の供給源にもなります。特に牡蠣や肉類は亜鉛を含み、毎日の食事に取り入れやすい食品です。
一つの食品だけに頼るのではなく、主菜として肉、魚、卵などを組み合わせていくことが大切です。
野菜や果物を組み合わせる
レモン、ブロッコリー、ピーマン、キャベツなどの野菜や果物を組み合わせると、ビタミンCを含むバランスのよい献立になります。
ただし、ビタミンCが亜鉛の吸収率を直接高めると一律に断定するのではなく、さまざまな食品を組み合わせることを基本に考えましょう。
●亜鉛と一緒に摂るとき注意したい成分
亜鉛と一緒に食べることが一律に禁止されている食品は、通常の食生活では基本的にありません。ただし、フィチン酸や高用量の鉄サプリメントなど、亜鉛の吸収に影響する可能性があるものはあります。
食品とサプリメントでは摂取量が大きく異なるため、分けて考えることが大切です。
フィチン酸を含む食品
フィチン酸は、玄米などの全粒穀物、豆類、ナッツ類などに含まれます。腸内で亜鉛などのミネラルと結合し、吸収されにくくすることがあります。
ただし、これらの食品には食物繊維などほかの栄養素も含まれるため、「亜鉛と相性が悪いから食べてはいけない」と考える必要はありません。肉、魚介類、卵、乳製品なども含め、食事全体を多様にすることが大切です。
高用量の鉄サプリメント
高用量の鉄を含むサプリメントを亜鉛と同時に摂取すると、亜鉛の吸収に影響する可能性があります。通常の食事に含まれる鉄と、高用量の鉄サプリメントは分けて考えましょう。
複数のサプリメントを利用している場合や、医師から鉄剤を処方されている場合は、自己判断で中止せず、摂取する時間などを医師や薬剤師に確認してください。
アルコールの過剰摂取
長期的な多量飲酒は、食事の偏りなどを通じて亜鉛の栄養状態に影響する可能性があります。亜鉛を含む食品とお酒を一緒に口にすること自体を禁止するものではありませんが、飲みすぎには注意しましょう。
牡蠣を料理に取り入れやすくする「焼かきパウダー」
牡蠣は亜鉛を多く含む食品ですが、毎日の食事に取り入れるのが難しい場合もあります。焼かきパウダーは、牡蠣をパウダー状にすることで、料理に混ぜる・和える・かけるといった使い方ができる食品素材です。
亜鉛だけを補給するサプリメントとは異なり、牡蠣由来の旨味を料理に加えられることも特徴です。
選ばれる理由① 原材料は牡蠣のみ
原材料は牡蠣のみです。パウダー状のため、ふりかけ、だし巻き卵、お茶漬け、おひたし、煮物などに少量ずつ加えられます。かき醤油やかきポン酢など、オリジナル調味料の素材としても利用できます。
選ばれる理由② 亜鉛をはじめかき由来の成分を含む
焼かきパウダーは、牡蠣を原料として瞬間高温高圧焼成法で加工しています。亜鉛をはじめとする栄養成分については、製品の分析値に基づいて確認しています。
焼きかきの分析試験では、100g当たり亜鉛49mgが確認されています。そのほか、たんぱく質36.0g、鉄7.9mg、タウリン1.8%、グリコーゲン24.5%、ビタミンB12 100µgなど、牡蠣由来のさまざまな成分を含んでいます。
牡蠣をパウダー状にすることで、料理に混ぜる・和える・かけるなど、少量ずつ取り入れやすい食品素材に仕上げています。
※数値は焼きかき100g当たりの分析値です。分析機関:財団法人広島県環境保健協会。実際に摂取する量に含まれる成分量は、使用量に応じて異なります。
選ばれる理由③ 生臭さが抑えられ、香ばしい
瞬間高温高圧焼成によって、牡蠣特有の生臭さが抑えられ、香ばしい風味に仕上がっています。牡蠣が苦手な方でも、料理への少量使用から試しやすいのが特徴です。
まとめ|特定の食品を避けず、食事全体で考えよう
亜鉛と一緒に食べることが一律に禁止されている食品は、通常の食生活では基本的にありません。
玄米や豆類などに含まれるフィチン酸、高用量の鉄サプリメントなどは亜鉛の吸収に影響する可能性がありますが、食品とサプリメントでは摂取量が異なります。特定の食品を避けるのではなく、肉、魚介類、卵、乳製品、野菜などを組み合わせ、食事全体を多様にすることが基本です。
牡蠣を毎日の料理に取り入れにくい場合は、混ぜる・和える・かけるといった使い方ができる焼かきパウダーも選択肢の一つです。


管理栄養士 石川優子

