蟹を加工すると、身だけでなく多くの殻が発生します。
蟹殻は硬く、そのままでは料理に利用しにくい部分ですが、香ばしい蟹の香り、色、ミネラル、キチンなど、身とは異なる特徴を持っています。
今回は、蟹殻に含まれる「キチン」と、よく一緒に紹介される「キトサン」の違いを整理しながら、未利用部分を食品素材として生かす可能性をご紹介します。
※本記事は一般的な成分情報を紹介するものであり、特定の疾病の予防・治療や健康効果を保証するものではありません。
蟹殻に含まれるキチンとは
キチンは、蟹や海老などの甲殻類の殻、昆虫の外皮、きのこ類などにも存在する天然の多糖類です。
蟹殻の丈夫な構造を支える成分の一つで、人の消化酵素では消化されにくい性質があります。
一般に「動物性食物繊維」と表現されることもありますが、植物に含まれるセルロースやペクチンとは由来や構造が異なります。
キチンとキトサンは同じものではありません
「キチン・キトサン」と続けて呼ばれることが多いため、同じ成分と思われることがあります。しかし、厳密には区別が必要です。
| 項目 | キチン | キトサン |
|---|---|---|
| 主な由来 | 蟹殻や海老殻など | キチンを加工して得られる |
| 作られ方 | 天然に存在する | キチンを脱アセチル化する |
| 性質 | 水に溶けにくい | 酸性条件で溶けやすくなる |
| 主な用途 | 食品素材、農業・工業素材など | 食品、化粧品、工業・研究分野など |
蟹殻に天然に含まれているものを、そのままキトサンと呼ぶわけではありません。
キトサンは、蟹殻などから分離したキチンに脱アセチル化という加工を行って得られる素材です。
そのため、焼蟹パウダーについても、キトサンの含有量や脱アセチル化度を分析していない段階では、「キトサンを含む食品」と断定しないことが大切です。
焼蟹パウダーに含まれる食物繊維について
瀬戸プレスフーズの焼蟹パウダーでは、分析値として食物繊維が18.7g/100g含まれています。
ただし、この食物繊維の分析値だけから、そのすべてがキチンまたはキトサンであると判断することはできません。
記事や商品案内では、
焼蟹パウダーには、分析値として食物繊維が18.7g/100g含まれています。蟹殻には一般的にキチンが存在しますが、焼蟹パウダー中のキチン・キトサンの個別含有量は別途分析が必要です。
焼蟹パウダーで蟹殻を食品素材へ
瀬戸プレスフーズでは、国産紅ズワイガニの殻を瞬間高温高圧焼成法で加工し、焼蟹パウダーとして活用しています。
焼蟹パウダーの大きな特徴は、健康成分を強く訴求することではなく、これまで利用しにくかった蟹殻を、料理や食品開発に使いやすい素材へ変えている点です。
- 焼いた蟹殻特有の香ばしい風味
- 粉末として必要な量だけ使える
- だしやスープに加えられる
- ソースや調味料に配合できる
- サブレなどのセイボリー菓子にも応用できる
- 蟹殻の廃棄削減につながる可能性がある
蟹の身とは異なる「殻の香り」を利用できるため、だしだけでなく、香味油、ソース、シーズニング、焼菓子などへの展開も考えられます。
栄養成分は分析値に基づいて伝える
焼蟹パウダー100g当たりの分析値は次のとおりです。
| 栄養成分 | 100g当たり |
|---|---|
| カルシウム | 16,000mg |
| 食物繊維 | 18.7g |
| たんぱく質 | 31.4g |
※実際の一回当たりの使用量は少量であるため、摂取できる栄養成分量は使用量によって異なります。
※分析した検体の数値であり、原料等によって変動する場合があります。
1g使用した場合の計算上の量
| 栄養成分 | 約1g当たり |
|---|---|
| カルシウム | 約160mg |
| 食物繊維 | 約0.19g |
| たんぱく質 | 約0.31g |
この数値は100g当たりの分析値から算出した目安です。商品表示に使用する場合は、最新の分析結果や表示基準を確認する必要があります。
まとめ
蟹殻には、天然の多糖類であるキチンが含まれています。一方、キトサンは一般に、キチンを脱アセチル化して得られる素材であり、両者は同一ではありません。
また、蟹の赤い色にはアスタキサンチンが関係していますが、焼蟹パウダーに含まれる具体的な量を示すには製品自体の分析が必要です。
焼蟹パウダーの価値は、未利用になりやすい蟹殻が持つ香り、色、ミネラルなどの特徴を、料理や食品開発に活用しやすい形にしていることです。
健康効果を断定するのではなく、分析で確認できた栄養成分と、実際の調理・商品開発における使いやすさを丁寧にお伝えしていきます。
焼蟹パウダーの特徴や料理への活用については、以下の記事をご覧ください。

カニの殻など、加工時に発生する副産物にも、香り、旨味、色、ミネラルなどの特徴があります。
プレタスでは、瞬間高温高圧焼成法を活用し、未利用部分を調味料や食品素材として生かす可能性を検討しています。

